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今日の、おだわらっこ 市子連「チャレンジ アンド トライ」

今日の、おだわらっこ 市子連「チャレンジ アンド トライ」

やわらかな心に宿る、リーダー研修
市子連「チャレンジ アンド トライ」 2016年7月2日  小田原アリーナ

小田原市子ども会連絡協議会、
通称「市子連」(しこれん)には、
各子ども会のリーダーたちが集まる。
小田原や、日本の未来を担うリーダーとして
必要なことを、
楽しみながら、失敗し、考え、
挑戦して学んでいく。

 

小田原市子ども会連絡協議会、
通称「市子連」
(「しこれん」と読む。ちなみに全子連もある)は、
小田原市の各子ども会をつなぐもので、
この日は青少年交流事業
「チャレンジ アンド トライ」という
リーダー育成研修が
小田原アリーナで開催された。
当日は各学区の子ども会のうち
15子ども会から27名の児童が集まった。

 

午前は、
緊張をほぐすための
簡単なゲームからはじまり、
班に分かれてキャンプで
調理をしているイラストを使った
KYT(危険予知トレーニング)をしての発表。
次の「ドッジビー」
(やわらかいフリスビーを使ったドッジボール)が始まると、
まだ堅かった子ども達も
一気に距離がつまり、
昼食の時には何も言わなくても
各学校混合の班ごとに座り、
もう友達といった感じで
楽しそうにお弁当を食べていた。

 

午後は、
口で人に伝える難しさを知り、
工夫を学ぶゲーム*1「コピーは見た」や、
環境体験実習*2「オーディア!」、
捕食者と獲物の関係から
種の保存を考えるユニークなゲーム*3
「瞬間冷凍動物」、
災害が発生した時に
様々な機関が協力し合うことを学ぶ*4
「8人がひとりのために、ひとりがみんなのために」
等を行い、
コミュニケーションや
自然界の動物や環境から学び、
有事の際に協力する訓練へと移行する。
どのゲームも質が高く、
やってみて失敗することから
考えることを「学び」としている
実践的な研修なので、
子ども会のリーダー育成だけでなく、
成長していつしか地域を出ることがあっても、
この経験は糧となり、
新しい環境でも
きっと活躍できるようになるであろう、
などと思っていたら、
やはり企業研修でも
採用されているような内容なのだそうだ。
納得。  

 

この子達の未来がとても楽しみで、
また同時に
「ああ、なんだかとても良い地域ではないか」と、
うれしくなったのであった。

 

*1:「コピーは見た」は、ホワイトボードの裏に貼られた絵を
見た人が仲間に口で伝え、同じ絵を完成させる。
口で伝えるコミュニケーションの難しさを感じ、
相手に理解してもらうための工夫を学ぶゲーム。

 

 

*2:「オーディア!」は、自然界で、
野生動物が生きていくために必要な環境を考えることができるゲーム。
まず、子どもたちに自然界で
鹿が生きていくために必要な環境を3つ考えてもらい
(この時は「水」、「食料」、「家(棲家)」の3つ)、
それぞれの環境のポーズを決め、覚えてもらう。
次に4人組を作り、1、2、3、4に分かれる(20人ぐらいいると楽しめそう)。
各グループ、1の人は「鹿役」、その他の人は「環境役」。
鹿を残し、環境役の人は20mほど離れたところに集まり、
お互い背を向け、「せーの」の掛け声で同時に振り向く。
その時、鹿役は欲しい環境の、環境役は自分がどれかを、
一つ選んでそのポーズをする。
鹿役の人は自分が選んだポーズと同じポーズの環境役の人を
一人連れてくる。
連れてこられた環境役は鹿役になる。
環境を連れてこれなかった鹿役は死んでしまい、環境役に変わる。
これを繰り返し、回数と鹿の数を記録する。
そうすることで、環境と鹿の数の変化の関係性を
身をもって感じることができる。
実際にその変化を見ていると、
改めて考えさせられ、唸ってしまうほど秀逸。
ちなみに写真の状態は、鹿が大繁殖してしまっている状態。

 

 

*3:「瞬間冷凍動物」は、鹿と熊に分かれて
捕食者と獲物の関係を学ぶ。
鉢巻をしているのが狩る側の熊役。
鹿たちがバラバラに逃げていた1回目は1頭生存、
2回目は全滅という結果だったが、
「鹿は種を保存するために個ではなく集団で行動する」
という話を聞いた後は、写真のように集団を意識し、
5頭生き延びることができた。
緊急時にグループで力をあわせる意味を学ぶことができた。

 

 

*4:「8人がひとりのために、ひとりがみんなのために」は、
有事の際の知識をより実践的に学ぶゲーム。
カードを使い関係団体の役割を知ることで、
落ち着いた判断ができるようになる。
東日本大震災以降、自治防災は再評価されている。
特に中学生になると体つきも大きく、判断力もあがり、
また昼間も地域内の学校にいるため
緊急時の地域防災にとって貴重な機動力として注目されているため、
小学生の内からその知識を学びはじめる。

 

:おとなりさんvol.10 2016.8.1発行号 掲載記事