横溝篩店の蒸籠
手づくり。冬本番。
写真・文 おとなりさん編集部
横溝さんは、扇町で昔ながらの技術をつかい、
蒸籠 (せいろ)、篩(ふるい)、
裏漉し器などの「曲物」をつくる「横溝篩店」の四代目です。
横溝さんのつくる蒸籠は、檜を使い、
主に岐阜県や奈良県の山桜の皮をなめして編んでいます。
檜の蒸籠は、20年、30年使う事ができます。でも、
横溝さんのつくった蒸籠は、
さらに長く50年、60年保つと、胸を張ります。
まさに、子や、孫へ、代々受け継げる、調理器具なのです。
山桜の木の皮と、横溝さんの道具
この一枚の中でも、節や穴の開いた部分は使えない。
まっすぐの部分のみをなめしてつくった
留め具を通して綴じる。
全てが手作業だ。
「自分は、釘を使ったらおしまいだと思っています」。
穴をあける作業はとても力がいるので、
釘を使う職人もいるそうだが、
横溝さんは昔ながらの山桜の皮にこだわっている。
もちろん錆びてしまう釘よりも、断然長持ちする。
こんな風に使ってます。
「白菜ほわほわ せいろで蒸し豚しゃぶ」
蒸籠に詰めて蒸すだけで出来る
とっても手軽な豚しゃぶです。
豚肉は蒸す事でとろけるほど柔らかくなり、
脂は下に落ちて旨味が凝縮されます。
白菜も蒸すと食感がかわり、
特に葉の部分は「ほわっ」として格別です。
お好みで花椒(ホアジャオ)をちらせば、
中華の香りがアクセントに。ポン酢でどうぞ。
材料(21センチの蒸籠/2、3人分)
・しゃぶしゃぶ用の豚肉200g
・白菜1/4 ・花椒(お好みで)
蒸籠の中に立てながら
ミルフィーユ状に白菜と豚肉を詰めていきます。
お鍋にお湯が沸騰したら蒸籠をのせて、
10分蒸したら出来上がり。
蒸籠のまま食卓へどうぞ。
おいしい秘密。
横溝さんの蒸籠は、一般的なものに比べて、
とても分厚いのが特徴です。
だから、しっかり蒸気を閉じ込めることができるのです。
たっぷりと熱い、密度の濃い蒸気で蒸された料理は、
どんなものでもそれだけで格別に美味しくなるのです。
さつま芋は弱火でゆっくり蒸すとさらに甘くなります。
蒸し始めてから約30分。
ほっこりとして、とても上手に蒸し上がりました。
横溝さんの蒸籠は、
おとなりさんで通信販売しています。
こちらからどうぞ
:おとなりさんvol.12 2017.2.1発行号 掲載記事
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白菜ほわほわ せいろで蒸し豚しゃぶ