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おとなりさん 新春座談会

おとなりさん 新春座談会

「自治会と商店会の融合を考える」

あけましておめでとうございます。
新年の特別企画として、
小田原市商店街連合会(以下商連)の加藤会長をお招きして、
「地域」をテーマに昨年末に座談会を行いました。

「おとなりさん」のメンバーは、
小田原市自治会総連合の木村会長、
本誌発行人であり商連広報委員の副委員長でもある長嶺です。
自治会と、商店街を代表する会長お二人を交えた地域座談会。
新年にふさわしく様々なアイデアが飛び出しました。

 

恒例の新春号の座談会ということで、
今年は小田原市商店街連合会(以下商連)の加藤会長をゲストに、

小田原市自治会総連合の木村会長、
「おとなりさん」発行人と
実は商連の広報の副委員長もやらせていただいている長嶺と、
それとオブザーバーとして
小田原市地域政策課和田係長に同行いただき、
扇町にある加藤会長のお宅である
「いいちみそ」でおなじみの、加藤兵太郎商店さんに
お邪魔させていただきました。
予定していた店舗の方が年末(開催時)で
大変混雑しているということで、
急遽掘りごたつを囲みながらの座談会となりました(笑)。
ゲストの家におしかけてしまったかっこうになり恐縮ですが、
このような状況ですので、
今回もざっくばらんな感じでよろしくお願い致します。
まず、加藤会長に商店街の状況についてお聞きしたいのですが。

 

地元で買い物をしなくなっているので、
商店街で差が出てきちゃってるんですよね。
自分の店の利益を上げるにはそこでの役割を
しっかりとさせることが大切でしょうね。
俺の商売はこうだっていう。
それには地域のために役に立つことが、すごく重要ですね。
だから、そこにあった職業があれば一番ベストだと思う。
同じ職業が多くあってもしょうがないし、
いくつも専門的な店が集まる場所ができたら
一番いいと思うんですけどね、
なかなかうまくいかなかったりして、
一店、二店て欠けてくると、
商店街の意味をなさなくなっちゃいますよね。

 

自治会から見て商店街って
こんな感じになってきたなと思うところはありますか?

 

小売店がなくなってきましたよね。
八百屋とか魚屋とか。

 

お住いのある富水はどうですか。

 

全然ないですよ。
本当に一角だけですね。
飯田岡に八百屋さんがあるくらいで。
どうしてもスーパーに行くとかになってきちゃいますよね。

 

ここで、今日のテーマなんですが、
自治会と、商店会は
これまで別々でやってきたんですが、
かといっても同じ地域にあって
活動している人も重複していることが多いわけで、
部分的に合理的な融合をさせて
双方の価値を高めあうアイデアはないのかと。
そういう観点で話せればと思っています。

 

自治会と商店会がもっと早くに
接点を見つけられればよかったんですよね。
買い物難民が一番問題だと思っているんですが、
商店会さんとうまくタイアップしないと
ますますひどくなるのではと思っています。
例えば、立川市には『絆カード』というのがあるのを知って、
なるほどなと思ったんですが。

 

立川の絆カードは自治会発信ですよね?

 

自治会発信ですね。
自治会に入るともらえるカードで、
加盟店でサービスが受けられるというもの。
自治会費に対する明確なメリットに
なるのではと思っています。
これを、例えば商連さんにご協力いただいて
市内の商店会のみなさんに加盟店になっていただくとか。
それを入会の時に渡す一冊の冊子にすることで、
利用者が市内全体の店を知ることができて、
加盟店さんにも新規開拓の
メリットになるようにできないかと。
仮に小田原で同じようなカードをやった場合、
約6万2千世帯の自治会員が一家族一枚持つことになりますから。

 

商店街が新規のお客さんを取りにくくなっている中、
自治会とつながることで
地元の新規顧客の発掘につながるという
可能性もありますね。

 


小田原の宅建協会と協定を結ぼう
という話にもなっています。

 

宅建協会加盟の物件に入る際には
自治会の案内もしてもらうという協定ですよね。
自治会の取り組みとしてこういうのが始まれば、
商連側のメリットもあがりますよね。
例えばマンションの住人にも自治会の
割引カードと一緒に冊子にのった商店街の情報が
届くということですからね。
あと、カードの仕組みとしては、割引き云々だけでなく、
先ほどの買い物難民の話のように
他のサポートにも使えるといいですよね。

 

扇町商店街では『*まいど扇町』をやってますけど、
あれは、そっちのことをやるのが目的だったんですよ。
扇町の商店街のものなら配達しますと。

* 「まいど扇町」は、平成24年9月25日に
地元の空き店舗を活用してオープン。
地域循環型経済の確立を目指し、
「地元の食材を使う・地元の人を雇う・地元に売る」
という3つの目標を掲げ、
その中で地域住民同士の情報交換や繋がりが
持てるコミュニティーの場となることを目指している。

 

お弁当以外にもですか?

 

そうです。
味噌だってそうですし、お鍋だって
もし欲しければ金物屋さんで調達できますし。
宣伝がなかなかうまくいってないんですが。

 

うまくできそうですよね。
お弁当の袋にお知らせを入れておいて、
そこに商店街のお店一覧があって…。
ぜひ、デザインこねこへ(笑)。

 

一つ仕事とったね(笑)。
高齢化はどんどん進みますから、
どうにかしないといけない。
買い物には出かけない、何もできないだと困っちゃう。
だからこの辺でタイアップができればいいですよね。

 

「ウィン・ウィン」というよりは
「支えあっていく」という言葉のほうが、
あっている感じがしますね。

 

これからは多分、自治会は衰退すると思う。
自治会長になるのも大変になってくるし、
組長も高齢化でやれる人が少なくなってるし、
このままでは本当に衰退しちゃうと思う。
自主財源を持たないと本当に難しいですね。

 

(商連も、自治会も)それぞれの目的がちゃんと
アピールできていないのが問題ですね。
商店会に参加していないお店さんもあるし、
しっかり目的、意味をアピールしないと。
そういうのがまとまっているものがあればっていつも思います。

 

おっしゃる通りです。
最終的には、自治会に入った、
メリットデメリットの話になっちゃうんですよね。
自治会に入っていないからって、
ゴミを自分で持って行く人もいないし、ダメって言っても、
『市民税払ってるし』となってしまう。
お互い(商連も、自治会も)任意団体だから
「できたら入ってください」としか言えないしね。

 

そういう部分でも組むと少し言いやすいですよね。
一緒に勧誘に行くという。
タイアップという部分ではすぐにできそう。
加藤会長は自治会員でもありますよね。

 

以前はよくやっていました、
最近は他の役もあって忙しいという理由で、
交代しましたが。
私は自治会は災害の時のためにあるものだと思っています。
東日本大震災があった時が、
防災そのものの組織を進めていくのに
チャンスだったと思ってたんです。
あの時に、みんなで共同して
生活をしていかなくちゃいけないということを、
もっと言っていかなくてはいけないと思いました。
それは、商店街にも言えることで、
店は商品を抱えてるから食料などもありますし。

 

防災のためには、
ご近所が顔を知っておくためだけの
「顔見知り会員」というもっとゆるい
会員登録があってもいいのかもしれないですね。
地域としても小売店にはいざという時に物が
揃っているからどうにかなるってこともありますよね。

 

お互いに協定じゃないですけれど、
なにかできればいいですよね。

 

そうですよね。これからの話だと思いますね。
場所によってはもう商店街と色々な相談を
してるところもあると思うんですがいかがでしょう。

 

和田
店単位と個々に話してるところは、
いくつか聞いたことがありますね。

 

栢山で…あそこは小田原百貨店かな。
(前会長の)相川さんの時代に、
災害時の協定を結んだというのは聞いてます。

 

大型店ですよね。

 

そうですね、大型店です。
それは、その地域がやったということですけど、
今度は商店街とうまくタイアップできれば。

 

大型店も商連に入ってますしね、
成功事例としてすでにやってるということで、
そこも含めて商連と自治会さんとで
防災についてもタイアップするのもいいかなと。
さっき加藤会長も言ってましたが、
ここには塩と米がたんまりありますし、
かまぼこ屋さんに行けば、水はたんまりあるし。

 

まあ、仕込み終わっちゃった後は米はないけど。

 

一同

 

味噌だけ舐めてれば 生きていけますしね。

 

血圧あがっちゃうけど。

 

一同

 

今日はいい話ができて。

 

本当ですね。
経済的な部分と防災の部分と二本立てで。

 

一同
ありがとうございました。

:おとなりさんvol.12 2017.2.1発行号 掲載記事